株式会社チクマ
インターシップレポート
~一本の糸が未来をつなぐ制服に~
※このページはインターンシップ参加学生が作成しており、文章等はそのままでWeb掲載用に構成を整えたものになります
作成日 : 2025年10月15日
実習スケジュール
会社概要
株式会社チクマは、1903年に神戸で竹馬隼三郎商店として誕生し、今年2025年に創業122周年を迎えました。「共存共栄」という理念を大切にしながら、日本のみならず世界を舞台に発展してきた繊維専門商社です。業界の中でも特に、環境や社会に対する取り組みを積極的に行っています。リサイクルや多様性に配慮した製品の開発、子どもたちに着こなしの大切さやSDGsについて伝える「服育」など、未来につながる活動にも力を入れています。長年培ってきた技術と経験を活かしながら、時代のニーズに応える製品づくりを続けています。
チクマの印象
チクマは、会社全体の雰囲気が柔らかく、社員の方々が居心地よく働ける環境であると感じました。若手社員と上司との関係も良好で、若手であっても意見を発信しやすい風通しのよさがあると思います。また、女性社員が多く在籍していることから、育休・産休の取得や復職がしやすく、女性にとって働きやすい職場環境が整っていると感じました。さらに、残業が少なく、仕事とプライベートの両立がしやすい点も魅力だと考えています。
事業部の紹介
ユニフォーム事業部
パナソニックパビリオン
ノモの国スタッフの制服
紹介
ユニフォーム事業部では、企業団体向けのオーダーメイドユニフォームの企画・製造・販売・管理・リサイクルまでを行っています。民間企業に加え、警察・消防といった官公庁や、万博などのイベントと幅広い分野のユニフォームを手掛けています。また、ファン付きウェアやドライアイスを活用した氷点下ベストなど、現場で働く人をサポートするユニフォームにも取り組んでいます。
ユニフォームは、統一感や企業イメージを高めるだけでなく、仕事へのモチベーションにもつながる重要なツールです。
実習内容
納品同行、SNSトレンド分析、仕入れ入力、スワッチの作成、代替生地探し、アンケートまとめ
印象
実習では、企画・生産業務・営業と様々な業務を経験させていただきました。業務内容や必要なスキルは勿論異なりますが、最終的に一つの製品を作り上げるために、多くの人が関わり合い、支え合っていることを実感しました。
特に営業では、実際に顧客企業を訪問する機会がありました。中には距離のある企業にも依頼に応えるため、1週間ほぼ毎日通うこともあったと伺い、その大変さと同時に、お客様に寄り添う姿勢の大切さを感じました。

海外販売・海外生産
紹介
海外に携わる仕事として、海外販売部と生産業務部があります。海外販売部では、唯一ユニフォームとは関係なく、生地を取り扱っています。海外で生地の展示会を行うところから、実際にオーダーが入り輸出するまでの流れで、様々なブランドとの取引や、貿易書類の作成、メールでのやりとりを主に行われていました。生産業務部では、中国やベトナム、ミャンマーの工場とのやりとりを行われており、加工貿易を中心とした業務をされていました。主に仕様書作成やサンプル品の制作、できた製品の検査までを行われています。
実習内容
事務作業(貿易書類作成、インボイス作成、発注書作成)、海外顧客とのメールの確認、サンプル品の検寸・型紙合わせ、中国とのWEB会議参加(製品の検査、工場の概要)
印象
ユニフォーム事業部の海外業務の印象として、社員の皆さん全員で成し遂げるという業務形態で、チームワークが重要視されていると感じました。また、海外とのやりとりをする中でミスがないよう、常に正確に業務を行い、社員内で情報を共有し合い、社員同士でのコミュニケーションが非常に活発であったように感じました。

キャンパス事業部
紹介
キャンパス事業部では、注文を受けた学生服を学校の特色に合わせて制作し販売しています。デザイン性や汎用性に優れたスクールユニフォームでLGBTQへの配慮も行い制作しています。また、衣服の大切さを教える「服育」や使い終わった制服をリサイクルし再利用する「チクマノループ」など様々な取り組みを行っています。
実習内容
母校の新制服提案、制服の納品同行、型紙作成、服育標語の選定、検品作業、DX打ち合わせ
印象
キャンパス事業部では、母校の学生服のモデルチェンジ案を考え作成しました。
学校に制服を提案する際は、その学校の伝統や地域などの情報を調べて理解し、学校とコミュニケーションをとって考えることが大切です。また、デザインだけではなく機能性もとてもこだわって制作されています。例えば、学生の成長に合わせて袖を伸ばせたり、ジャケットを腕が動かしやすい生地にしたりなど、着用する学生への配慮が行われていることがわかりました。

アルファピア事業部
紹介
アルファピア事業部では、企業向けの既製ユニフォームを企画製造し、年に2回カタログを発行しています。事務作業やサービス業に相応しく、機能性とファッション性を両立した幅広いデザインを取り揃えています。最近の素材やトレンドも取り入れていて、全国の販売代理店で購入することが可能です。
実習内容
モデルチェンジ提案書作成・プレゼン、SNS運営・新アイテムに関するアイデア出し、業界説明
印象
企業に依頼をされて独自のデザインを企画するユニフォーム事業部とは違い、アルファピア事業部は既製ユニフォームを企画製造するという形なので、企業に満足していただけるデザイン、機能性のある商品を企画製造することが難しく感じました。そのため、幅広いデザイン、機能性のある商品をデザイナーやそのデザインに沿って型紙を制作するパタンナーの方が考え、企業に満足していただける商品を作成できるように励んでいることがわかりました。実際に体験した仕事として、企業に合わせたユニフォームのモデルチェンジを考え、提案書を作成しました。このことから、商品の企画製造だけでなく、商品を求める企業や業界の特徴を調べ、提案する商品とその理由について説明する力が重要だとわかりました。
マリークワント 新作の制服
社員インタビュー
総務部部長 人事担当 S.Tさん
Q.どのような学生を求めていますか?
A.服が好きで、服に興味がある人を求めています。また、協調性があり会社の雰囲気に合う人がいいです。
Q.就活する上で大切だと思うことは?
A.自己分析をするうえで、自分が知っている会社だけではなく知らない会社も見ることが大切です。一つの会社に絞らず幅を広げてみることも重要です。
Q.チクマの最も魅力と感じる部分は?
A長く勤めやすい会社であることが魅力です。そのため、長くお客様と関係を築くことができます。
Q.繊維業界の現状の課題は?
A.少子化により、働く人が減少していることが課題です。そのため、制服・ユニフォームを通じて考える「服育」にも力を入れて取り組んでいます。着用しなくなったオリジナルユニフォームをリサイクルするなど環境に配慮した取り組みも行っています。
また、繊維業界全体では、衣服を制作する際に発生する汚染物質や衣服の大量生産・大量処分が問題になっています。海外工場の労働条件などの確認もこれから対応しなければならない課題です。
インターン参加の感想
龍谷大学 法学部 二回生 K.K
社員の方々は皆さん柔らかい雰囲気で、気になったことをすぐに質問できる環境でした。大学生になるまでは制服を着用しており、身近な製品・業界でしたが、実際は知らないことばかりで毎日が学びの場でした。
製品づくりにおいては、ポケットにペンの染みがつかないように工夫をしたり、動きやすいストレッチ素材にしたりと、着用者のニーズに細かく応えるため、考えられていました。そうした工夫が人々の日常をより快適にしているのだと思います。
龍谷大学 国際学部 二回生 K.Y
インターンでの各事業部の経験を通して、服に対する多様な思いや視点を学ぶことが出来ました。海外に関わる業務にも携わり、一着の服が完成するまでに複数の国が関係していることを知り、国際的な視野を広げることができました。
日頃目にする制服の背景には、多大な努力があり、制服一つひとつに対して機能性や色の効果など、着る人に向けた工夫を考えておられ、時代のニーズに合わせて常に進化されていることを実感しました。また、社員の皆様はとても温かく、社内の雰囲気も和やかで、安心して実習に取り組むことが出来ました。お忙しい中にもかかわらず丁寧にご指導していただき、充実した実習期間を過ごすことができました。
大阪経済大学 経済学部 三回生 M.S
10日間で3つの事業部、それぞれの魅力を感じることが出来ました。初めは、ユニフォームを取り扱っている会社なので、固い人が多いイメージだったのですが、社員の方はとても優しく明るい方が多かったです。全員がチクマの服が好きで誇りをもって仕事をされていると感じました。
今回の実習で繊維・アパレル業界の仕組みや魅力、衣服を制作・販売する際に多くの方とコミュニケーションをとることの大切さなど多くのことを学びました。初めて学ぶことが多くわからないこともありましたが、丁寧に優しく教えていただいたため、業務に取り組みやすく学びのある実習期間になりました。
大阪樟蔭女子大学 学芸学部 三回生 Y.S
事業部によって担当しているユニフォームの種類は違いましたが、チクマ全体で見たときに携わっているユニフォームの幅広さに驚きました。生地の製造からユニフォームの販売までの過程や、詳しい説明を聞くことができて、とても勉強になりました。
キャンパス事業部とアルファピア事業部でユニフォームのモデルチェンジ案を考えましたが、着用者や企業・学校の先生、見る人の視点から考えたり、企業・学校イメージに合ったものを考えたりするなど、考慮しなければならないところが多く、難しかったです。オーダーメイドユニフォームを作成するにあたって、着用者の希望をすべて反映できないところが難しいところだとわかりました。
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